
子どもの頃、録音で聴いた自分の声が、どうしても好きになれなかった。
低くて、もごもごしていて、全然かわいくない。
「こんな声で、女の子らしくいるなんて気持ち悪い」
そんな風に感じてしまって——
スカートを履くのをやめた。
大好きだったピンクは、いつの間にかブルーに変わっていた。
だけど、それでも歌うことだけは、ずっと好きだった。
もっと自分を好きになりたくて、
私はボイストレーニングを始めた。
声を出すたびに、いろんな“私”と出会っていく。
心と声の距離が、少しずつ近づいていくような感覚。
「その声、好きだよ」って言ってくれる人にも出会えた。
そして今では、自分の声が——
私自身を癒す存在になっている。
もしかしたら、この声はいつか、
誰かの心も癒せるかもしれない。
そんな風に思える私で、今日も歌ってる。
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